力価と選択性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 15:19 UTC 版)
サルビノリンAは、一番少なくて200μgの用量で効果を示す。ただし、20-30μgで作用するLSDのような合成化合物は、もっと力価が高い。研究により、サルビノリンAは、強いκ-オピオイド受容体アゴニストであることが明らかになった。解離定数が1.0 nM(ナノモル/L)と低いことが示すとおり、この受容体に高い親和性がある。マウスにおけるサルビノリンAの作用がκ-オピオイド受容体のアンタゴニストによって阻害されたことが報告されている。さらに、最近になって、サルビノリンAはドーパミンD2受容体のさらに強いパーシャルアゴニストとしても作用することが示された。親和性は5-10 nMで、内活性は40-60%であった。EC50は48 nMで、κ-オピオイド受容体の235 nMより約5倍も高かった。これは、ドーパミンD2受容体も、その効果において重要な役割を果たしていることを示している。 サルビノリンAは、この作用機序を介して幻視の状態を誘発することが知られている、唯一の天然に生じる物質である。エナドリン、ケタゾシン、ペンタゾシンやその関連化合物等の合成κ-オピオイドアゴニストは、同様の幻覚および解離作用を示す。 サルビノリンAの力価は、毒性とは異なる。ヒトが曝露されている何倍もの量を慢性的に投与されたマウスに、臓器障害は見られなかった。しかし、血圧に対しては、サルビノリンAの投与後、20-40分後に、対照群と比べて1.5-2倍の上昇が見られたという報告があるが、統計的な結論は出せていない。
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