剰余環としての構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 13:52 UTC 版)
詳細は「剰余環」および「体の拡大」を参照 「根体」および「分解体」も参照 複素数体 C の代数的な構造は、体および多項式の概念により、自然に構成することができる。 体とは、四則演算ができてよく知られた計算法則を満たすものである(例えば有理数体など)。実数全体の成す集合 R は体である。また、係数体が R の多項式全体の成す集合 R[X] は、通常の加法、乗法に関して環を成す(多項式環と呼ばれる)ことに注意する。 剰余環 R[X]/(X2 + 1) は、R を含む体であることは示すことができる。この拡大体において、X, −X(の属する剰余類)は −1 の平方根である。この剰余環の任意の元は、多項式の除法の原理より、a + bX(a, b は実数)の形の多項式を代表元に一意に持つ。ゆえに、R[X]/(X2 + 1) は R 上の2次元ベクトル空間であり、(1, X)(が属する剰余類)はその基底である。 R[X]/(X2 + 1) の元(剰余類)a + bX(a, b は実数)を、実数の順序対 (a, b) に対応させると、前節で述べた体が得られる。この2つの体は体同型である。
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