剰余群への射影
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 01:19 UTC 版)
群 G の正規部分群 K について、剰余群 G/K への射影を φ: G → G/K で表す。群準同型 f: G → H について、K が f の核 Ker f (f(x) が H の単位元となる G の元の集合) に含まれるとき、群の準同型定理によって f = h◦φ を満たす群準同型 h: G/K → H がただ1つ存在することがわかる。 (小さな) 群とその間の群準同型からなる群の圏を Grp で表す。群 H に対して、群準同型 f: G → H であって Ker f ⊂ K を満たすものの集合を FH とおくと、この対応は関手 F: Grp → Set をなす。準同型定理の主張から、任意の H に対して同型 FH ≅ Grp(G/K, H) が存在して、さらに唯一性からこの同型は H について自然であることがわかる。 以上のことから、剰余群 G/K と剰余群への射影 φ: G → G/K は普遍性を持っていることがわかる。普遍性の帰結として、商群についての他のすべての性質は、これ以上余集合(剰余群の通常の構成で使われる G/K の各要素)に言及しなくてよくなる。
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