前ソクラテス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:40 UTC 版)
「マルティン・ハイデッガー」の記事における「前ソクラテス」の解説
ソクラテス以前の哲学の多くは短い断片としてしか残っていない。ハイデッガーは学生時代からこれらの断片の解釈を試みていた。彼らは概して宇宙論的理論を提示し、特定の事物(人間、植物、動物、惑星、星)を説明していても、それらを統一する土台を求め続けていた。彼らの思索は観察や実験に負うところが殆どないが神話的な神々や霊にも頼っていない。ハイデッガーは何故彼らに惹かれたのだろうか。今日、我々が思う意味での哲学に先行している故に、より「原初的」に思えたのだろう。さらに彼らは存在を「忘却」していなかった。 ハイデッガーはパルメニデスとアナクシマンドロスについて講義しており「対立、敵対」の概念はヘラクレイトスによるところが大きい。ヘラクレイトスによれば、宇宙の三大要素である火、水、土は絶えず闘争しており、それぞれが冷たく湿った部分と熱く乾いた部分を持っている。ハイデッガーはこの闘争のなかのパラドックス的な「隠れている調律性」を気に入っており、彼の言う存在するものの二つの領域、「世界」と「大地」を関連づける手段になる。一見安定した現実は両者の対立のなかでのみ生じる。
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