制裁規定の制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 04:25 UTC 版)
第91条 (制裁規定の制限) 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。 第91条は欠勤等により賃金総額が僅少となる場合であっても適用される(昭和25年9月8日基収1338号)。10分の1を超えて減給の制裁を行う必要が生じた場合、その超えた部分の減給は次期以降の賃金支払期に延ばさなければならない。翌月以降に分割すれば、10分の1を超える金額を結果として引くことはできる。賞与から減額する場合も同様である(昭和63年3月14日基発150号)。第91条の場合、賃金の一部控除の労使協定(第24条但書)は必要ない。 減給の制裁に関して、平均賃金を算定すべき事由の発生した日については、「減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日」をもって、これを算定すべき事由の発生した日とする(昭和30年7月19日基収5875号)。 遅刻・早退・出勤停止した日・時間分の賃金をカットする場合は減給の制裁に該当せず(昭和23年7月3日基収2177号、昭和63年3月14日基発150号)、結果的に第91条の額を超えても第91条違反とはならないが、遅刻・早退・出勤停止した日・時間分以上の賃金カットを行う場合は減給の制裁に該当する。降格に伴う賃金の低下は、その労働者の職務の変更による当然の結果であるから、第91条には抵触しない(昭和26年3月14日基収518号)。月給者を日給者に降格させることにより結果的に賃金額が減少してもそれは賃金の支払い方法の変更であるから第91条には該当しない(昭和34年5月4日基収2664号)。
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