刑事施設における検閲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:44 UTC 版)
「日本における検閲」の記事における「刑事施設における検閲」の解説
監獄法第50条およびそれに基づく同法施行規則第130条には「検閲」という言葉が用いられていたため、しばしば「刑事施設(刑務所)においては、例外的に検閲が認められている」との誤解をする例があるが、最高裁判所は平成6年10月27日の第1小法廷判決(判例時報1513号91頁・判例タイムズ865号127頁)において、「監獄法五〇条、監獄法施行規則一三〇条に基づく信書に関する制限が憲法二一条二項前段にいう検閲に当たらないことは、当裁判所大法廷判決(最高裁昭和五七年(行ツ)第一五六号同五九年一二月一二日判決・民集三八巻一二号一三〇八頁、最高裁昭和五六年(オ)第六〇九号同六一年六月一一日判決・民集四〇巻四号八七二頁)の趣旨に徴して明らか」と判示している。 すなわち、旧監獄法(現在、監獄法の規定は刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に引き継がれている)上の「検閲」の概念と憲法上の「検閲」の概念は同一ではなく、旧監獄法における「検閲」は憲法上の「検閲」には当たらない。 憲法上、検閲は絶対的に禁止されており、いかなる例外も許さない。刑事施設ももちろん例外ではなく、(憲法上の)「検閲」が認められることは絶対にありえない。 なお、旧監獄法第50条の規定に相当する「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」第127条、第129条、及び第130条では、「検査」「差し止め」という言葉が用いられ、もはや「検閲」という言葉は用いられていない。
※この「刑事施設における検閲」の解説は、「日本における検閲」の解説の一部です。
「刑事施設における検閲」を含む「日本における検閲」の記事については、「日本における検閲」の概要を参照ください。
- 刑事施設における検閲のページへのリンク