分析心理学派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/25 15:06 UTC 版)
分析心理学(あるいはユング派)においては、夢は無意識、特に集合的無意識あるいは元型から意識に向けてのメッセージである。そして、そのメッセージをセラピストが抱え、必要に応じてクライエントと共有するなどして、メッセージをクライエントが受け取れるように行われる一連の作業のことを夢分析と呼ぶ。ちなみに、覚醒している状態での想像や空想、あるいは芸術的な表現なども夢と同じように無意識からのメッセージを含むと捉えられているが、夢分析こそがそれを理解するための最も重要であり中心となる方法であるとされる。 ユング派の夢分析は、一般のいわゆる“夢分析”のイメージと異なり、夢の意味を収束的に一つの解釈に導くのではない。夢に対して「拡充法」という技法を時に適用しつつ、対話などを通じて夢からもたらされるさまざまなイメージおよびその持つ意味などを膨らませ、意識と夢(ひいては無意識)とのつながりを再構築し深めてゆく、といった作業を行う。これは無意識からのメッセージと向き合うことによって自己実現に至るための方法であるとされている。 なお、夢分析は、無意識からの影響の強さにクライエントの自我が耐えきれず、クライエントの精神的健康を大きく損なう可能性があるため、たとえばユング派分析家の資格を取得しているなど、訓練や教育を十分になされた者が実施するものであるとされている。
※この「分析心理学派」の解説は、「夢分析」の解説の一部です。
「分析心理学派」を含む「夢分析」の記事については、「夢分析」の概要を参照ください。
- 分析心理学派のページへのリンク