分布要因論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/21 01:04 UTC 版)
「ハッタジュズイミミズ」の記事における「分布要因論」の解説
本種が八田村には多産するのに、当初はそれ以外の日本から発見されないことに関して、畑井は本種が帰化種であるからではないかとの推定を示した。彼によると本種の含まれる属の種は本種以外は熱帯産であることから人為分布の可能性が高い。しかもこの種の拡散を嫌って農家がイネ苗のやりとりをしなかったとの話はあるにせよ、それでも分布は拡大してゆくものだから、分布域の狭さはその移入が古くないことを示す。後述するように本種については地域にその出自に関する伝説があり、これはこのミミズがこの村に突然出現したこと、それがさほど古いことでないものを示すものだとしている。彼はさらに加賀の豪商と伝えられる銭屋五兵衛をも持ち出し、彼は藩の内諾を得て南蛮貿易をしていたのではないか、その際に東南アジアのどこかから本種を持ち込んだのではないか、ともしているという。 さらにその後に琵琶湖周辺から本種が発見された折りにも畑井はこれを「河北潟と琵琶湖の間にひんぱんな行き来があったと想像される」としている。 それに対して、渡辺(2015)はその後に3カ所で発見されたことをもって日本土着の種と『確信した』と述べている。 ミトコンドリアDNAの解析によると琵琶湖周辺域の方が変異の幅が広く、河北潟のものにはその一部のもののみが見られた。このことから河北潟のものは琵琶湖域からの分布拡大による可能性が考えられる。またこのような多様性が存在することは本種が日本在来種であることを支持するものと考えられる。
※この「分布要因論」の解説は、「ハッタジュズイミミズ」の解説の一部です。
「分布要因論」を含む「ハッタジュズイミミズ」の記事については、「ハッタジュズイミミズ」の概要を参照ください。
- 分布要因論のページへのリンク