出願審査請求(しゅつがんしんさせいきゅう)Request for Substantive Examination
”出願審査請求”とは、特許出願について、審査に着手してほしい旨を特許庁に請求する行為である。出願審査請求書を提出することにより行う。
日本の特許法は、出願と審査とを分離した出願審査請求制度を採用している。したがって、出願を行っただけでは審査は開始されず、審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある(特許法第48条の2)。
出願審査請求は、出願の日から3年以内(2001年9月30日以前の出願は7年以内)にすることができる。この期間内に、出願審査請求がされない場合には、その特許出願は取り下げたものとみなされ、権利を取得することはできない。
出願審査請求制度は、権利取得の必要が無くなった出願について、出願人のそれ以上の経済的負担(出願審査請求料を支払わなくともよい)を少なくするメリットがあり、審査対象が少なくなって特許庁における審査促進を図ることができるというメリットもある。
出願審査請求は、出願人本人だけでなく、第三者が行ってもよい(特許法第48条の3)。他人の出願が特許されるかどうかについて、興味を持つ第三者が存在する可能性があるからである。
「審査請求」といった場合、行政不服審査法に基づく審査請求(たとえば、審判官による期間延長申請の不許可処分に対して特許庁長官に不服を申し立てる等)を指す。これと区別するため、出願審査請求とするのが正しい呼び方である。ただし、特許実務では、出願審査請求を単に審査請求と呼ぶことが多い。
なお、ヨーロッパ特許庁は、日本と同じように出願審査請求制度を採用している。なお、ヨーロッパ特許庁では、出願をすると自動的に先行技術調査のための審査が行われる。その後、実質的な審査を受けるためには、審査請求を行わねばならない。これを、実体審査請求と呼んでいる。
米国は審査請求制度を採用せず、出願されたものを全て審査する制度を採用している。
知的財産用語辞典ブログ「出願審査請求」 (執筆:弁理士 古谷栄男)
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