出来川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/03 20:00 UTC 版)
出来川(できがわ)は江合川右岸の支流である。長さは約21キロメートル。 江合川と鳴瀬川の平坦地を流れており、旧小牛田町(現在は合併により美里町)の中心部をぬけて大崎平野に出る。このあたりはもともと江合川と鳴瀬川に挟まれた氾濫原で、名鰭沼(なびれぬま)という大きな湖があった。昭和40年代から185ヘクタールあまりが干拓され、1977(昭和52)年に完成した農地に入植者が入った。現在の出来川はこの干拓事業で誕生した水郷地帯の北側を蛇行しながら南東へ向かう。下流部では美里町と涌谷町の町境になっている。石巻市の西側で龍ノ口山(標高81.1メートル)に針路を阻まれ、北へ転じて明治水門で江合川に注ぐ。支流には赤井川などがある。 名鰭沼干拓地には、出来川のほか定川(二級河川定川の本流)、青木川、鞍坪排水路・鞍坪川(鳴瀬川の支流)などが並走し、排水路が縦横に張り巡らされていて、流域の雨水は出来川には流入しないように設計されている。しかしきわめて平坦な地勢から、出来川の河床勾配は最小で1/9000ほどしかなく、江合川の増水時には出来川への逆流の恐れがある。そのため江合川への合流部に明治水門が設けられているのだが、これが閉じられて出来川の水が溢れる際には、名鰭沼干拓地が遊水地の機能を果たすことになっている。
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