内部加熱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:59 UTC 版)
天王星よりも多様な海王星の気象は、その大きな内部加熱(英語版)によるものとされている。太陽から海王星までの距離は、太陽から天王星までの距離の50%以上離れており、日射量は天王星の約40%しかないが、2つの惑星の表面温度はほぼ同じになっている。海王星が太陽から受けるエネルギーは地球の約900分の1しかなく、対流圏の上部は51.8 K(-221.3 ℃)という低温に達しているが、大気圧が1 bar(100 kPa)になる深度では、温度は72 K(-201.15 ℃)になっている。内部になればなるほど、ガスの層の温度は着実に上昇する。天王星と同様にこの加熱の原因は不明だが、その上昇率には大きな違いがある。天王星は太陽から受けるエネルギーの1.1倍しかエネルギーを放射しないが、海王星は約2.61倍のエネルギーを放射している。海王星は太陽から最も遠い惑星ではあるが、その内部からのエネルギーは太陽系で見られる中で最も高速の風を発生させるのには充分である。2つの惑星の見かけ上の類似性を保ちつつ、同時に天王星の内部からのエネルギー放射が欠如しているのを説明することは難しいが、その内部の熱的性質に依存して、海王星の形成から残された熱は現在のその熱の流れを説明するのに充分かもしれない。
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