免疫療法における可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 00:14 UTC 版)
「インターフェロンγ」の記事における「免疫療法における可能性」の解説
IFN-γはがん細胞の抗増殖状態を増加させる一方で、MHC IやMHC IIの発現をアップレギュレーションし、病原性細胞の認識と除去を向上させる。IFN-γはフィブロネクチンをアップレギュレーションすることで腫瘍構造を変化させ、転移を低下させる。 現時点では、IFN-γはいかなるがんの免疫療法に対しても承認を受けていない。しかしながら、膀胱がんやメラノーマの患者ではIFN-γの投与による生存の改善が観察されている。最も有望な結果が得られているのはステージ2・3の卵巣がんの患者である。がん細胞に対するIFN-γの効果に関するin vitro研究では、IFN-γの抗増殖作用はアポトーシスやオートファジーによって成長阻害または細胞死を引き起こすことが示されている。一方で、CD8陽性リンパ球から分泌されるIFN-γは卵巣がん細胞上のPD-L1をアップレギュレーションし、腫瘍の成長を促進することが報告されていることにも留意が必要である。 HEK293細胞で発現された、哺乳類型の糖鎖修飾がなされたヒト組換えIFN-γは、大腸菌で発現された未修飾のものと比較して治療効果が高いことが報告されている。
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