免疫機能の調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 05:14 UTC 版)
腸は全身の免疫細胞のおよそ60%が集中し、腸の免疫バランスの崩れ(特に過剰な免疫反応)が全身に影響すると言われている。酪酸には過剰な免疫反応を抑えるTreg細胞という免疫細胞を増やす効果があり、これには酪酸が大腸上皮細胞のヒストンのアセチル化を促進する働きが関与していることが分かっている。腸の免疫疾患である炎症性腸疾患の患者は日本でも増えており、治療法の見つかっていない難病に指定されている。こうした患者では、腸内細菌中の酪酸産生菌の数が減っているケースが多いとされる。こうした炎症性腸疾患やクロストリジウム・ディフィシル感染症の患者に対しては生体便移植により、酪酸菌を含めた腸内細菌全体を移植する方法により治療できる可能性があることが示されている。
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