傷の治療に用いられる場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 22:29 UTC 版)
詳細は「マゴットセラピー」を参照 傷の手当や治療が不十分で、不潔な包帯を放置された場合など、傷口に蛆が湧く場合がある。けが人にとってその感触は極めて不快であるとのことだが、蛆が膿や腐敗した部分を食べることで傷口が清潔になり、むしろ傷の状態が良くなったり、患部を含めた周辺部位まで壊疽が広がることによる切断や切除を免れたりする場合がある。第一次世界大戦中、既に傷口に蛆が発生した負傷兵の生存率が突出して高いことには注目が集まっていたという[誰によって?]。 蛆は、正常な組織や生きている組織を食べることはない上に(ただし、これは積極的に人体に寄生し咀嚼する種を除く)、殺菌効果のある分泌液を出しながら腐敗した細胞や壊死細胞のみを食べるので、感染症の予防効果がある。また、分泌液は肉芽細胞や毛細血管の再生を促進させる働きもある。 そのため、このことを潰瘍や末期の糖尿病における四肢の壊疽などの治療に積極的に利用する治療法(マゴットセラピー、MDT)がある。ただし、もちろんこれは専門医の指導の下、医療用に繁殖させた無菌蛆を使った場合に限る。 外科治療に関する医学的な知識がない者が蛆を用いた治療を試みるべきではない。
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