保守性と自己責任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:01 UTC 版)
「自己啓発セミナー」の記事における「保守性と自己責任」の解説
宗教学者の島薗進は、自己啓発セミナーの態度は「与えられた現実の枠組みを絶対のものと認め、あえてその正統性を問わず、随順しつつ、自己責任の範囲を明瞭に自覚し、最大限効率性の拡大に努める」というものだと述べている。他人に対しては、自己責任として突き放すことになる。決められたルール、契約で定められた「絶対的」な枠組みを守ることが善であり、その中でコストを計算しながら最良の取引を行うべくいかに心を調整するかが問題になる。現代のセラピー文化の考え方は契約的なもので、道徳的な意味での善へのコミットメントは抜け落ちている。 小池靖は、自己啓発セミナーで身に着く姿勢は、苦難があった場合に外部ではなく自己の内面を振り返り、自己の人格を変容させて問題を解決しようとする態度であると述べている。 実存主義的な強力な自己責任論を説いており、社会変容に結び付きにくく、社会的な同調主義につながる可能性がある。
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