例 II: コーシー分布とは? わかりやすく解説

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例 II: コーシー分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/30 22:43 UTC 版)

複素線積分」の記事における「例 II: コーシー分布」の解説

積分 ∫ − ∞ ∞ e i t x x 2 + 1 d x {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }{e^{itx} \over x^{2}+1}\,dx} (確率論においてコーシー分布特性関数スカラー倍として生じる)は初等解析学テクニックでは困難である。それを次の積分路 C に沿った線積分極限として表示することにより計算しよう:実数直線を −a から a まで沿って行き、0 を中心とする半円沿って a から −a まで反時計回りに行く。a を 1 よりも大きく取って虚数単位 i が曲線内側に入るようにする。線積分は ∫ C e i t z z 2 + 1 d z {\displaystyle \int _{C}{e^{itz} \over z^{2}+1}\,dz} である。eitz は整関数複素平面のどこにも特異点持たない)だから、この関数分母 z2 + 1 が 0 になる点でのみ特異点を持つ。z2 + 1 = (z + i)(z − i) であるから、それは z = i あるいは z = −i でのみ起こる。これらの点のうち1つだけ積分路囲まれる領域含まれる。f(z)z = i における留数R e s z = i f ( z ) = lim z → i ( z − i ) f ( z ) = lim z → i e i t z z + i = et 2 i {\displaystyle \mathrm {Res} _{z=i}f(z)=\lim _{z\to i}(z-i)f(z)=\lim _{z\to i}{e^{itz} \over z+i}={e^{-t} \over 2i}} である。留数定理により、 ∫ C f ( z ) d z = 2 π i Res z = i ⁡ f ( z ) = π e − t {\displaystyle \int _{C}f(z)\,dz=2\pi i\operatorname {Res} _{z=i}f(z)=\pi e^{-t}} となる。積分路 C は「まっすぐな (straight)」部分曲がった弧 (arc) とに分けられるので ∫ straight + ∫ arc = π e − t {\displaystyle \int _{\text{straight}}+\int _{\text{arc}}=\pi e^{-t}} でありしたがって ∫ − a a = π e − t − ∫ arc {\displaystyle \int _{-a}^{a}=\pi e^{-t}-\int _{\text{arc}}} となる。t > 0 のとき ∫ arc e i t z z 2 + 1 d z → 0  as  a → ∞ {\displaystyle \int _{\text{arc}}{e^{itz} \over z^{2}+1}\,dz\rightarrow 0{\text{ as }}a\rightarrow \infty } であることを示すことができる。よって t > 0 のとき ∫ − ∞ ∞ e i t x x 2 + 1 d x = π e − t {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }{e^{itx} \over x^{2}+1}\,dx=\pi e^{-t}} である。t < 0 のときは i ではなく −i をまわる弧を用いた類似の議論によって ∫ − ∞ ∞ e i t x x 2 + 1 d x = π e t {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }{e^{itx} \over x^{2}+1}\,dx=\pi e^{t}} が示される。よって最終的に次を得る: ∫ − ∞ ∞ e i t x x 2 + 1 d x = π e − | t | . ◻ {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }{e^{itx} \over x^{2}+1}\,dx=\pi e^{-\left|t\right|}.\quad \square } (t = 0 のときは積分はただちに実数値の解析学の手法が使えてその値は π である。)

※この「例 II: コーシー分布」の解説は、「複素線積分」の解説の一部です。
「例 II: コーシー分布」を含む「複素線積分」の記事については、「複素線積分」の概要を参照ください。

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