例: 差動符号化BPSK
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 14:22 UTC 版)
「位相偏移変調」の記事における「例: 差動符号化BPSK」の解説
k番目のタイムスロットで変調されるビット b k {\displaystyle b_{k}} 、差動符号化ビット e k {\displaystyle e_{k}} 、結果得られる変調信号 m k ( t ) {\displaystyle m_{k}(t)} を呼び出す。コンステレーション図は符号を±1(BPSKでは)に配置すると仮定する。差動符号化器は以下を生成する。 e k = e k − 1 ⊕ b k {\displaystyle \,e_{k}=e_{k-1}\oplus b_{k}} ⊕ {\displaystyle \oplus {}} は二進法またはモジュロ2の加算を示す。 そのため、 b k {\displaystyle b_{k}} はバイナリ"1"である場合、 e k {\displaystyle e_{k}} は状態を変更するだけである(バイナリ"0"からバイナリ"1"に、またはバイナリ"1"からバイナリ"0"に)。それ以外の場合は以前の状態のままである。これが上記の差動符号化BPSKの説明である。 受信信号は復調され、 e k = ± 1 {\displaystyle e_{k}=\pm 1} が生成され、差分復号器が符号化手順を逆にして b k = e k ⊕ e k − 1 , {\displaystyle b_{k}=e_{k}\oplus e_{k-1},} を生成する(バイナリ減算はバイナリ加算と同じであるため)。 したがって、 e k {\displaystyle e_{k}} と e k − 1 {\displaystyle e_{k-1}} が異なる場合 b k = 1 {\displaystyle b_{k}=1} であり、同じ場合 b k = 0 {\displaystyle b_{k}=0} である。したがって、 e k {\displaystyle e_{k}} と e k − 1 {\displaystyle e_{k-1}} が「反転」していても b k {\displaystyle b_{k}} は正しく復号される。よって180°の位相のあいまいさは問題にならない。 他のPSK変調の差動スキームも同様の方法で考案できる。DPSKの波形は2つのスキーム間の唯一の変更が受信器で行われるため、上記で与えられた差動符号化PSKの波形と同じである。 この例のBER曲線は右側で通常のBPSKと比較される。上で述べたように、エラー率はおよそ2倍になるが、これを解決するために E b / N 0 {\displaystyle E_{b}/N_{0}} に必要な増加量はわずかである。しかし、符号化システムの差動変調を乗り切るために必要な E b / N 0 {\displaystyle E_{b}/N_{0}} の増加は大きく、通常は約3 dBである。動作の低下は非コヒーレント伝送の結果である。この場合は位相の追跡が完全に無視されていることを示す。
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