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位相偏移変調

(DPSK から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/13 14:21 UTC 版)

位相偏移変調(いそうへんいへんちょう)もしくは位相シフトキーイング英語: phase-shift keying, PSK)は、基準信号搬送波)の位相変調することによって、データを伝送する、デジタル変調方式である。

概要

PSKでは、基本波の位相を不連続に変化させることにより、デジタルデータを表現する。例えば、4種の位相を用いて表現する時(QPSK)、一つの位相には2ビット(00、01、10、11)が割り当てられる。 位相に割り当てられる各々のビットパターンをシンボルと呼ぶ。 復調器は、変調において使用されたシンボルと位相の組み合わせに基づいて設計される。まず、受信信号の位相を明らかにし、次に、各位相が表現しているシンボルを基に、ビット列を組み立てることで元のデータを復元する。

受信信号と基準信号の位相差により、デジタルデータを表現する方式を、coherent phase-shift keying (CPSK)と呼ぶ。この場合、復調器は、基準信号と同期していなければならない。

受信信号における、位相の相対的な変化の量によってデジタルデータを表現する方式を、差動(差分)位相偏移変調(DPSK)と呼ぶ。この場合、復調器は基準信号と同期する必要がないため、比較的実装が容易となるが、復調時の誤りが生じやすくなるため、誤り訂正などによる補正が重要である。

序論

デジタル信号の伝送で使用される、主なデジタル変調技術は、次の三種類である。

全て、データ信号に応じて、基準信号、搬送波(通常シヌソイド)の一部の特性を変化させることによってデータを伝送する。 PSKの場合、データ信号を表すために位相を変化させる。 この様にPSKで信号の位相を利用するためには、以下の二つの方法がある。

  • 情報を伝達する信号の位相自体を見る方法。この場合、復調器は受信信号の位相を比較する基準信号を持たなければならない。
  • 情報を伝達する信号の位相の「変化」を見る方法。すなわち、位相の差を判断する。この方式の一部の構成では、基準搬送波を必要としない。
8PSKの信号空間ダイヤグラム

PSKを表現する便利な方法に、信号空間ダイヤグラムがある。 これは、同相の信号を実数軸に、直角位相の信号を虚数軸にとったガウス平面上に信号点を示す方法である。 垂直な軸におけるそのような表現は、簡単な実現に適している。 同相軸に沿ったそれぞれの信号点の振幅はコサイン(またはサイン)波を変調し、さらに直角位相軸に沿った振幅はサイン(またはコサイン)波を変調する。

PSKでは、選ばれる信号点は、通常円のまわりに、均一の角度間隔で配置される。 これにより、隣接点間の位相距離を最大にし、干渉に対する耐性を最大にする。 それらの点は全て同一のエネルギーで送信が可能であるように、上に配置される。 この方法によって、それらが表す複素数のノルムは等しくなり、コサインとサイン波に必要となる振幅も同じになる。 いくつの位相を用いても良いが、一般的な例として、二つの位相を使用する、二位相偏移変調や、4つの位相を使用する四位相偏移変調が存在する。 伝達されるデータは通常バイナリであるので、PSKは通常、2の累乗である信号点の数で設計される。

定義

誤り率を数学的に計算するためには、いくつかの定義が必要となる。

BPSK(英語: binary phase-shift keying)はPSKで最も単純な形式である。 これは180°分離された2つの位相を使い、「2-PSK」とも呼ばれる。 信号点がどこに置かれるかは必ずしも特に重要ではなく、そしてこの形ではそれらは実軸において0°と180°に示される。 この方式は、誤った内容に復号されるには、致命的なほどの妨害波が必要であるため、全てのPSKの中で最も強力なものである。しかし、図にあるように1シンボルあたり1ビットのみの変調が可能であるため、帯域幅が限定されている場合高速のデータ転送には不適切である。


AWGN環境下におけるBPSKの符号誤り率(BER)を示すと以下のとおりになる:

QPSKの信号空間ダイヤグラム。隣のシンボルと1ビットだけ異なる。

quaternary または quadriphase PSK、 4-PSK、4-QAMとも言われる[4]。 QPSKは信号空間ダイヤグラムで4点使用し、円状に配置される。 4段階の位相を用いて、QPSKは1シンボルにつき2ビットを符号化することができる。さらにグレイ符号を用いて符号誤り率を小さくできる。 QPSKのビット誤り率は、BPSKと同じになる

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差動(差分)位相偏移変調 (DPSK)

差動符号化

差動位相偏移変調(DPSK)は搬送波の位相を変更することでデータを伝達する一般的な形式の位相変調である。BPSKとQPSKで説明したように信号が通過する通信路で何らかの効果によりコンステレーションが回転すると位相が不明確になる。この問題はデータを使用して位相を「設定」するのではなく「変更」することで解決することができる。

例えば、差動符号化されたBPSKでは、現在の位相に180°を加えることでバイナリ"1"を送信でき、0°を加えることで"0"を送信できるSDPSK。DPSKの変形は対称差動位相偏移変調(SDPSK)であり、この場合、"1"の場合は+90°、"0"の場合は−90°である。

差動符号化されたQPSK(DQPSK)では、位相シフトは0°、90°、180°、−90°でありデータ"00"、"01"、"11"、"10"に対応する。この種の符号化は非差動PSKと場合と同じ方法で復調できるが、位相のあいまいさは無視できる。したがって、各受信符号はコンステレーションのM点の1つに復調され、コンパレータはこの受信信号と前の信号との間の位相差を計算する。差は上記のようにデータを符号化する。対称差動四位相偏移変調(SDQPSK)はDQPSKに似ているが、符号が対称的であり、位相シフト値は−135°, −45°, +45°,+135°である。

上記のDBPSKとDQPSKの両方の変調信号を以下に示す。この図では「信号が0位相で始まる」と仮定されており、

DBPSKとDQPSKのタイミング図。バイナリデータストリームはDBPSK信号の上にある。DBPSK信号の個々のビットはペアにまとめられDQPSK信号となり、Ts = 2Tbごとのみ変化する。

解析により、差動符号化は通常の

グレイ符号及びホワイトノイズで動作している時のDBPSK、DQPSKおよびそれらのnon-differential formsのBERの比較。

差分符号化された信号の場合、復調の明白な代替方法がある。通常のように復調しキャリア位相のあいまいさを無視する代わりに、2つの連続する受信符号間の位相が比較され、データが何でなくてはならなかったのかを決定するために使用される。この方法で差分符号化が使用される場合、このスキームは差動位相偏移変調(DPSK)と呼ばれる。これは受信時に受信符号が1つずつコンステレーション点に復号されるのではなく直接互いに比較されるため、単に差動符号化されたPSKと微妙に異なることに注意。

受信符号をk番目のタイムスロット

Differential encoding/decoding system diagram

k番目のタイムスロットで変調されるビット

BPSKとホワイトノイズで動作するグレイコーディングを使用した差動符号化BPSKのBER比較。

そのため、 この項目は、工学技術に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めていますPortal:技術と産業)。




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