作品テーマと歌詞の内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 17:16 UTC 版)
「どんぐりころころ」の記事における「作品テーマと歌詞の内容」の解説
創作童謡とは一線を画すとする一方で、青木は『かはいい唱歌』の作品は「子供の世界そのものを子供の心で品よく歌ったつもり」とも記している。これは当時の童謡運動の中心人物であった鈴木三重吉が提唱した「芸術味の豊かな、即ち子どもたちの美しい空想や純な情緒を傷つけないでこれを優しく育むやうな歌と曲とをかれらに与えてやりたい」とする思想と実質的に同じ意味だとする研究者もいる。児童文学者の船木枳郎は、本作品は「おとなが発見した童心の世界」が描かれているとし、北原白秋ら当時の創作童謡の担い手の思想とは「本質において異なる」とはしながらも、「世俗の心情にわかりやすい童心だと云うことはできます。児童の情操陶冶に適するとまでは行かないにしても、やや近よっているものであります」と批評している。 歌詞の内容は、青木の幼少時の体験が元になっている。青木は宮城県松島町の大地主のいわゆる「坊ちゃん」として生まれ育った。広大な屋敷の庭には「どんぐり」が実るナラの木があり、その横には大きな「池」があった。青木は朝寝坊な子どもであり、それを改善したいと母親が知恵を絞り、庭の池に「どじょう」を放した。どじょうが気になって、青木が朝早く起きるようになるのではないかと考えてのことであった。本作品は、当時の思い出を元に制作されたと言われる。なお、歌詞に出てくる「どんぶりこ」は池に落ちた音の擬音語だが、「どんぐり」に引きずられて「どんぐりこ」と間違えて歌われることも多い。
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