体温の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 05:37 UTC 版)
腋窩温(えきかおん)腋の下(腋窩)で測定される体温。一般的にヒトの体温と言えば腋窩温を意味する。電気的温度計の発達により測定が容易となった。ただし、非常に痩せていて腋の下に閉鎖体腔が形成されないような場合、末梢循環不全で皮膚血管の収縮がある場合、発熱に対処するため体表冷却を行っている場合には正確な腋窩温は測定が困難である。 口腔温・舌下温口腔(舌下部)で測定される体温。外頸動脈部領域に存在し血管収縮の影響を受けにくく中枢温に近い体温を測定できる。 食道温食道で測定される体温。心臓に近い位置にあって血液の温度や脳の温度との相関性があるため中枢温として認められている。しかし、口腔や食道に潰瘍を形成するおそれがある場合など食道温の測定が不適切とされる例もあり、実際には開心術において直腸温との差を測定したり直腸切断術において直腸温に代えて測定される場合など限定的に用いられている。 直腸温直腸で測定される体温。直腸温は食道温とともに中枢温として認められている。全身麻酔中や集中治療室などで体温を連続モニターで測定する場合に用いられる。ただし、腹部内臓血流の減少時など体温が低く出る場合があるほか、体動が激しい場合や循環障害がある場合などには不適切な方法である。 鼓膜温または外耳道温鼓膜温は鼓膜で測定される体温で血液の温度に近く脳の温度とも相関性がある。しかし、鼓膜温の測定は鼓膜を傷つけるおそれがあるため、鼓膜温に代えて外耳道で測定する外耳道温を測定することが多い。
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