低酸素・無酸素状態に対する耐性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 00:40 UTC 版)
「ハダカデバネズミ」の記事における「低酸素・無酸素状態に対する耐性」の解説
2017年4月21日付のアメリカの科学誌『サイエンス』電子版に発表された研究結果によると、ハダカデバネズミは酸素がない環境で18分も耐え、大きなダメージも残らなかったという。 無酸素状態になった際、通常の酸素呼吸とは別の仕組みでエネルギーを生み出したとみられる。研究チームは「心臓病などで、無酸素状態になった際に起こる損傷を防ぐ治療につながる可能性がある」としている。チームはマウスとハダカデバネズミを使い、それぞれ酸素濃度が5%と0%の状態において様子を観察した。その結果、マウスはいずれの条件下でも間もなく死んだのに対し、ハダカデバネズミは酸素濃度5%では5時間、0%でも18分間耐えることができた。0%の状態では心拍数は大きく低下し、1分間に50回程度になったという。無酸素状態では、ハダカデバネズミの体内で糖類の一種の果糖が増えていることが確認できた。通常時のエネルギー源であるブドウ糖の代わりに果糖を使って、脳や心臓といった生存に関わる組織にエネルギーを供給していると考えられる。
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