伝承にみる「人面犬」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 02:08 UTC 版)
人間の顔を持つ犬の民間伝承は、少なくとも江戸時代から存在する。 江戸時代の文人・石塚豊芥子の著書『街談文々集要』によれば、文化7年(1810年)6月8日に江戸の田戸町で、ある牝犬の産んだ子犬の1匹が人間そっくりの顔であったという。1人の興行師がこれを聞きつけ、さっそく人面犬の見世物として売り出したところ、押すな押すなの大人気となった。 当時、「梅毒患者は牝犬と性交すると治癒する」との迷信があり、その結果、産まれたのがこの人面犬だと噂された。 同じく江戸時代の文人にして水戸藩士の加藤曳尾庵の著書『我衣』によれば、文政2年(1819年)4月29日、日本橋近郊で産まれた子犬が人面といわれ、江戸中の評判となって見物人がつめかけた。曳尾庵が見物人から聞いた話によれば、猿のような顔つきだったという。また瓦版によれば前足が人間の足だったという。
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