任意個の直和
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 20:27 UTC 版)
必ずしも有限個でない場合の直和は、以下のように定義される。例えば任意個の環上の加群からなる族 {Mi}i∈I に対して、それらの直積 ∏ i ∈ I M i {\displaystyle \prod _{i\in I}M_{i}} に含まれる元のうち、「その成分が有限個のものを除いてすべて加法単位元 0 であるようなもの」全体の成す集合を考える。元の間に演算を (xi)i∈I + (yi)i∈I := (xi + yi)i∈I, 環の作用を a⋅(xi)i∈I := (axi)i∈I(a は環の元)で与えると、この集合は加群になる。これを加群の束 {Mi}i∈I の直和と呼ぶ。なお、この定義から作用を無視すれば自然にアーベル群の直和が得られる。 ある加群の任意の元が部分加群 {Mi} の元の有限の和として一意的に書き表せるとき、この加群は {Mi} の直和と同型になる。直和はこのようにして構造的に定義することもできる。これに対して既に述べたような定義を構成的ということもある。 ベクトル空間と同じように、直和加群の長さはそれぞれの加群の長さ(またはアーベル群のランク)の和になる。
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