代表選出をめぐる紛争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 01:27 UTC 版)
「国際労働会議代表反対運動」の記事における「代表選出をめぐる紛争」の解説
労働団体の側では、自分たちに労働者代表の選出権があると信じ、友愛会会長である鈴木文治などは自分こそが代表になるものと考えていた。これに対し、政府は労働者代表選出において「労働代表選定全国協議会」なるものを設置したが、これは200人以上を使用する全国の事業所の代表から55名、官営工場15名の協議員をそれぞれ選出し、これに友愛会・信友会(欧字植字工組合)など5労働団体(しかし当時の労働運動の主力である海員組合は含まれていなかった)の代表各1名を加えて構成されるものであった。これは明らかに国際労働規約への違反であったが、政府はこの事実を隠蔽するために国際的に公開された規約条文を国内向けには「極秘」とし一般に示さなかった。労働団体側はこの選出方法を、自分たちの存在を無視するものと見なし、友愛会はさっそく全国協議会から脱退したが、9月15日協議会は開催され18日には労働者代表候補として本多精一(東京財政経済時報主幹)・高野岩三郎(東京帝大教授)・桝本卯平(鳥羽造船所技師長)の3名を選出した。
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