他者が供給する巣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/28 01:29 UTC 版)
巣はそれを使用する動物が作るのが普通であるが、他の動物が作るものを利用する例もある。特に材木のように硬い基盤には穴を掘るのに特殊な能力を必要とするから、それが可能な動物は限られる。例えばキツツキはそれに穴を掘る能力を持っており、深い穴を掘って巣とするが、彼らが廃棄した巣が他の鳥に利用されることは多い。 さらに、他者が積極的に巣を提供する例もある。アリ植物はその体の中にアリの巣となる空間を作り、そこにアリを住まわせる。アリは肉食で昆虫類の多くには脅威であるから、それが植物の表面に常駐することで害虫を排除できる。さらに入り組んだ例として、クスノキは葉にダニ室を持ち、そこにフシダニの1種を住まわせる。フシダニは植物に寄生する害虫であるが、それが葉に住み着いて繁殖すると、増加個体が葉に出てきて、これが肉食小動物の餌となることで、それらを引きつけると考えられる。
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