他の言語に関する知識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 01:33 UTC 版)
30年間ピダハン族と共に過ごしたエヴェレットによれば、調査した時点でピダハン語話者のほとんどはピダハン語のみを話すモノリンガルであり、ポルトガル語に関してはわずかな単語を知っているだけだったという。一方、数年間のうち18ヶ月をピダハン族と過ごした人類学者マルコ・アントニオ・ゴンサルヴェス(en:Marco Antonio Gonçalves) は、次のように書いている。 ほとんどの男性はポルトガル語が分かるが、そのすべてがポルトガル語で自分自身を表現できるわけでない。女性はほとんどポルトガル語を理解せず、表現の形として用いることも決してない。男性たちは、ピダハン語やポルトガル語やニェエンガトゥ語として知られるアマゾン共通語 (Língua geral amazônica) の語を交えて、地方の人々とのコミュニケーションをしながら、接触「言語」を発達させた 最近では、マンチェスター大学のJeanette Sakelがピダハン語話者におけるポルトガル語の使用状況を研究している。 エヴェレットによれば、ピダハン族がポルトガル語を話す時には、非常に初歩的なポルトガル語の語彙をピダハン語文法を用いながら使い、またそのポルトガル語は極めて特定のトピックに限定されているため、ピダハン族はモノリンガルと言うことができた。彼らは非常に狭い領域の話題においては、極めて制約された語彙を用いてコミュニケーションがとれるので、これはゴンサルヴェスの見解と矛盾しないという。ゴンサルヴェスは、ピダハン族に教わったいくつかの話を丸ごと引用しているが、エヴェレットは、それらの話の中のポルトガル語は、語られたものを文字通り書き起こしたものではなく、ピダハン族のピジン・ポルトガル語からの自由訳であると主張している。
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