今後の記録更新の可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 22:09 UTC 版)
「昭和54年台風第20号」の記事における「今後の記録更新の可能性」の解説
昭和54年台風第20号の中心気圧870hPaをさらに下回る中心気圧は、今後記録される可能性は非常に低いと考えられている。つまり、台風の中心気圧の記録更新は、今後は事実上不可能といえる。その理由は、現在の台風情報で発表される台風の中心気圧は直接の観測値ではなく、 観測所に近い場合を除いて、ドボラック法による解析値であるためである。昭和54年台風第20号の中心気圧870hPaは、米軍の気象観測機により実際に観測された値である。ドロップゾンデを台風の目の中に落下させることで、台風の飛行機観測は行われる。しかし、このような台風の定常的な飛行機観測は、危険が伴うこともあって昭和62年の台風11号をもって終了しており、現在は台風の勢力は気象衛星からの見た目で判断されている。現在は実際の観測値ではなく、過去の統計をもとにした平均的な値を台風の中心気圧としているため、870hPaを下回る記録が出でることは、臨時の飛行機観測が行われるなどのことがない限り、ほとんどないと考えられる。現に、飛行機観測からドボラック法による観測に切り替わって以降、中心気圧が900hPaを下回るような台風の発生は激減している。過去に900hPa未満の中心気圧を記録した台風のほとんどは、気象衛星による観測が開始される以前の台風であり、米軍の観測機が直接観測していたことから、非常に低い気圧が記録されていたのである。
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