人物の配置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/19 08:25 UTC 版)
古系図と対比したときの実隆本系図の最大の特徴は人物の配置にあるとされる。古系図ではある人物の子孫を並べるときにまず長子を記述し、その後に「父親→長子→長子の長子→長子の次子→次子→次子の長子→次子の次子」という順序で長子の子孫を全て記述してから上の世代に戻って次子を記述するという、「しばしば下の世代から上の世代に戻ることのある配置」を原則(=旧原則)としており、これに対して実隆本はまず長子以下の子をすべて記述し、その後「父親→長子→次子→長子の長子→長子の次子→次子の長子→次子の次子」といった順序で記述していくという親の世代、子の世代、孫の世代がそれぞれまとまって記述される「下の世代から上の世代に戻ることのない配置」を原則(=新原則)とするとされるが、長享2年本は冒頭部分のみ新原則に則って記述されており、その他の部分は古系図以来の旧原則のままである。これに対して明応8年本では長享2年本とは逆に後半部分のみ新原則になっており、その他の部分は古系図のままの旧原則になっており、試行錯誤の跡が見られる。文亀4年本に至って初めて系図全体を一貫して「下の世代から上の世代に戻ることのない配置」(=新原則)で記述されるようになっている。
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