肛門周囲膿瘍・乳児痔瘻
肛門のまわりが赤く腫れて膿をもつようになる病気を肛門周囲膿瘍といいます.生後1ヶ月前後から1歳位の乳児期の赤ちゃんに比較的良く見られる病気で決して珍しいものではありません.この病気には二つの原因が考えられています.一つはオムツカブレによる皮膚からの感染を原因とするものと,他の一つは肛門の奥の腸からの炎症が皮膚におよぶもの(乳児痔瘻と呼びます)の二つです. |
乳児痔瘻は男の子に多く,女の子には比較的できにくいといわれています.肛門周囲膿瘍はしばしば乳児期の赤ちゃんが,下痢や軟便が続いた後に肛門のまわりが赤く腫れて膿をもつようになって起こります.赤ちゃんは痛みのために機嫌が悪くなり泣くようになります.膿瘍は良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多く,また肛門周囲の他の部位にも広がることがあります.肛門周囲膿瘍はひどく膿をもつようになると,皮膚に少し穴を開けて溜まっている膿を外に出してあげなければ治りません.オムツカブレを原因とするものは,膿を出してあげた後に,下痢を止めて便性を整え,肛門の回りの皮膚を清潔にしてあげるだけでわりと早く治ります.乳児痔瘻による膿瘍は再発を繰り返すことが多いので,場合によっては成人の痔瘻と同じような手術をしなければいけないときもあります. 肛門のまわりが赤く腫れているのを見つけたときは,小児外科医に診てもらってください.この病気は赤ちゃんが1−2歳になりますと自然に治ることが多いようですが,まれに2歳以上になっても残ることがありますので,この時にも診察を受けてるようにしてください. |
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