上部構造(共同幻想)と下部構造(経済体制)の相対的自立性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 06:20 UTC 版)
「共同幻想」の記事における「上部構造(共同幻想)と下部構造(経済体制)の相対的自立性」の解説
吉本にとって、高度な経済力や科学力を持っていた近代国家である戦前の大日本帝国が、やすやすと天皇制という、宗教性の強い古代・中世的な政治体制やイデオロギーに支配されてしまったことは大きな難問だった。吉本は、宗教・法・国家はその本質の内部において、社会の生産様式の発展史とは関係がないと主張し、政治体制は経済体制に規定されるとするロシア・マルクス主義を批判する。上部構造は下部構造から疎外されたものであり、人体を解剖してもその人の性格や思想がわからないように、いくら経済体制を分析しても、共同幻想は理解できないのである。共同幻想を分析するときは、共同幻想そのものを分析するべきであるとして、独自の上部構造論である共同幻想論を展開する。
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