三重秘伝抄
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さんじゅうひでんしょう。享保10年(1725年)3月上旬再治。三重とは権実相対・本迹相対・種脱相対のことで、この三重が秘伝である故に三重秘伝と称した、と堀日亨は註解している。日蓮が残した文書「一念三千の法門は但法華経の本門寿量品の文の底にしづめたり。龍樹天親知て、しかもいまだひろいいださず。但我が天台智者のみこれをいだけり。」(『開目抄』)を「一念三千法門但法華経本門寿量品文底秘沈給。龍樹天親知未弘、但我天台智者懐之」と引用し、これを標(一念三千法門)・釈(但法華経……秘沈給)・結(龍樹……懐之)と3分割し、自説を10に分けて述べる。これによって、寿量品の文字面には現れない(文字の底に秘して沈められている)「事の一念三千」が末法に弘められる教えであることをこの文書が示している、としている。
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