万有引力定数の時間変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 16:50 UTC 版)
「暗い太陽のパラドックス」の記事における「万有引力定数の時間変化」の解説
これまでに挙げた天体物理的、あるいは地球科学的な解決策とは異なり、基礎物理的な観点からの暗い太陽のパラドックスの解決を試みる仮説も存在する。それは、万有引力定数が時間変動することによって、太陽の光度および地球が受ける日射量が変化するというものである。物理定数も含めた依存性を考えると、太陽光度は太陽質量の5乗に比例し、万有引力定数の7乗に比例する。万有引力定数が変化すると地球の軌道にも影響が及ぶため、これを加味すると地球が受け取る日射量は太陽質量の7乗、万有引力定数の9乗に比例する。そのため40億年前の万有引力定数が現在よりも 2% 程度大きかった場合は、地球は完全な凍結を免れるとされる。万有引力定数の時間変化に制約を与える実験や観測は数多く行われており、連星パルサーやミリ秒パルサーの観測、月レーザー測距実験などから変化量の上限値が得られているが、40億年で 2% という値はこれらの上限値を逸脱はしていない。 なお、万有引力定数を含む物理定数が時間経過とともに変化しているという考えはポール・ディラックが大数仮説として提唱したものであり、この説では万有引力定数は時間に反比例して減少していくとされるが、この仮説は支持を得られているわけではない。
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