一般化 Wilcoxon 検定
この検定は,打ち切り例のない場合の Wilcoxon 検定( マン・ホイットニーの U 検定と等価 )の拡張である。
2 群の生存時間の長さに差があるかどうかを検定する。
A 群と B 群の全ケース数を na,nb とする。A 群,B 群の生存時間を Xi,Yj,打ち切り例については Xi',Yj' とする( i = 1,2, ... ,na;j = 1,2, ... ,nb )。
両群の生存時間を比較するとき,以下のような検定統計量を定義する。

ただし,

である。すなわち,生存時間の大小比較において,一方が打ち切り例のとき,例えば Xi と Yj' の比較において,もし Xi = Yj' であった場合にも,Yj' = Yj + α > Yj > Xi であると考える点が「一般化」の意味するところである。
検定統計量 W の平均値は 0,分散 Var ( W ) は次式のようになる。

ただし,Hij は上述の Uij の定義のしかたに準ずるが,2 群のケースをひとまとめにして,生存時間を Xi,Yj,打ち切り例については Xi',Yj'( i,j = 1,2, ... ,na + nb )として,以下のように定義される。

検定は,次式の Z が近似的に正規分布従うことを利用する。

なお,上述の分散の定義は,Mantel( 1967 )によるものであるが,Gehan( 1965 )は別の定義を示している( 青木ら( 1978 )にも紹介記事がある )。
参考文献
- 青木繁伸, 開原成允: 生命表による生存曲線の解析 - - 医学統計学最近の話題( 2 ). 医学のあゆみ, 104 ( 9 ) , 587 - 592, 1978.
- Gehan, E. A.: A generalized Wilcoxon test for comparing arbitrarily singly-censored samples. Biometrika, 52 , 203 - 223, 1965.
- Mantel, N.: Ranking procedures for arbitrarily restricted observations. Biometrics, 23 , 65 - 78, 1967.
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