ヴィトゲンシュタインに対する影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 16:01 UTC 版)
「オットー・ヴァイニンガー」の記事における「ヴィトゲンシュタインに対する影響」の解説
ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインは中学生時代に『性と性格』を読んで強い感銘を受け、後に自ら最も大きな影響を受けた書物の一冊に挙げ、友人たちに一読を奨めている(Ray Monk: Ludwig Wittgenstein, The Duty of Genius, 1990)。しかしながら、ヴィトゲンシュタインはヴァイニンガーの思想にただ感動していただけではなく、ヴァイニンガーの立ち位置に対して根本的に不同意でもあった。ヴィトゲンシュタインはG・E・ムーアに「彼(ヴァイニンガー)に同意することは不要であり、あるいはむしろ不可能である。しかし彼の偉大さは、我々が同意しない事柄の中に存するのだ。偉大であることは、彼が犯した大きな過ちだ」と書き送っている。なお、ヴァイニンガーの箴言として知られる「論理と倫理は根本的に同じものだ。いずれも己自身への本分に他ならない」という言葉は、ヴィトゲンシュタインの言葉だった可能性がある。現代文明の腐敗という主題や、完全な者の天才に対する義務という主題は、ヴィトゲンシュタインの後期の著作に繰り返し登場するものである。
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