ワダンノキの登場する作品
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「ワダンノキ」の記事における「ワダンノキの登場する作品」の解説
安部公房『デンドロカカリヤ』 短編小説。初出『表現』(角川書店)1949年8月号。1952年に『安部公房創作集 飢えた皮膚』(書肆ユリイカ)に再録された際に全面改稿されており、以後の版は改稿版に拠っている。新潮社版『安部公房全集』では、初出版は第2巻、改稿版は第3巻に、それぞれ別作品として収録されている。 作中では和名は登場せず、学名の「デンドロカカリヤ・クレピディフォリヤ」が用いられている。主人公の「コモン君」が、都会の街中で「草とも木ともつかぬ奇妙な植物」に変身してしまう病気にかかってしまい、「K植物園」の園長に「デンドロカカリヤさん」と呼ばれて追い回されたあげく、ついには植物園に収容されてしまう、という幻想的な変身譚である。本種が本来は母島列島産であることは、作中でも明言されている。 塚谷裕一は、「木とも草ともつかぬ」という描写、葉の形が「菊の葉に似ていた」という描写や、安部が執筆当時住んでいた東京都文京区茗荷谷の近くに小石川植物園があり、当時実際に同園では本種が栽培されていたことから、安部は同園で栽培されていた本種の幼木を実見したのではないか、と推測している。
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