ローレンツゲージでのマクスウェルの方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 20:57 UTC 版)
「マクスウェルの方程式」の記事における「ローレンツゲージでのマクスウェルの方程式」の解説
詳細は「電磁ポテンシャル」を参照 以下のローレンツ条件 ∇ ⋅ A + 1 c 2 ∂ ϕ ∂ t = 0 {\displaystyle \nabla \cdot {\boldsymbol {A}}+{\frac {1}{c^{2}}}{\frac {\partial \phi }{\partial t}}=0} における電磁ポテンシャル(ベクトルポテンシャル A {\displaystyle {\boldsymbol {A}}} とスカラーポテンシャル ϕ {\displaystyle \phi } )を用いて、マクスウェル方程式は以下の2組の方程式として表すことができる。 { ( △ − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) ϕ = − ρ ε 0 ( △ − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) A = − μ 0 j {\displaystyle {\begin{cases}\left(\triangle -{\dfrac {1}{c^{2}}}{\dfrac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right)\phi &=-{\dfrac {\rho }{\varepsilon _{0}}}\\\left(\triangle -{\dfrac {1}{c^{2}}}{\dfrac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right){\boldsymbol {A}}&=-\mu _{0}{\boldsymbol {j}}\end{cases}}} いずれの式も左辺は線形演算子のダランベルシアン□が作用しており、右辺は片やスカラー値の、片やベクトル値の連続関数である。ベクトルについては各々の成分について適用して考えることでスカラーの場合と同様に考えることができる。線形微分方程式に対してはグリーン関数法を考えることで解くことができる。すなわち、 ( Δ − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) G ( x , t ) = − δ ( x , t ) {\displaystyle \left(\Delta -{\frac {1}{c^{2}}}{\frac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right)G({\boldsymbol {x}},t)=-\delta ({\boldsymbol {x}},t)} の解となる関数(グリーン関数) G ( x , t ) {\displaystyle G({\boldsymbol {x}},t)} を求めることで一般に ( Δ − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) f ( x , t ) = − ρ ( x , t ) {\displaystyle \left(\Delta -{\frac {1}{c^{2}}}{\frac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right)f({\boldsymbol {x}},t)=-\rho ({\boldsymbol {x}},t)} なる方程式に対して f ( x , t ) = ∫ d 3 x ′ d t ′ G ( x − x ′ , t − t ′ ) ρ ( x ′ , t ′ ) {\displaystyle f({\boldsymbol {x}},t)=\int \mathrm {d} ^{3}x'\mathrm {d} t'\ G({\boldsymbol {x}}-{\boldsymbol {x}}',t-t')\rho ({\boldsymbol {x}}',t')} として求めることができる。このときのグリーン関数は先進グリーン関数と遅延グリーン関数の2つを得るが、物理的に意味のある遅延グリーン関数を採用することで遅延ポテンシャルを得ることができる。 遅延ポテンシャルを元に電場や磁場を計算するのが一般に運動している物体についての電磁場を検討する際に楽な方法であり、結果としてジェフィメンコ方程式を得ることになる。
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