ロンドン商館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:33 UTC 版)
ロンドン商館はイングランド王国におけるハンザ商人の拠点。本部の置かれた建物の名前から「スチールヤード」とも呼ばれていた。強大な王権に対抗する必要性から商館の求心力は強く、意思決定機関である総会の決定事項は強い拘束力を持ち、違反者には罰則がかけられていた。 ロンドン商館には職員がおり、2名の商館長はイングランド人(ロンドン市高官が多かった)とハンザ商人が1人ずつ選ばれていた。ハンザ商人はイングランドにおいて特権を与えられていたため、イングランドとの関係を円滑にするため、イングランド人を商館長にしていたのだといわれている。商館長含め12人の役員が商館を指揮し、数名の有給の書記が業務を行っていた。有給の職員が置かれたことは中世では異例のことである。 15世紀になると、ハンザ商人に与えられていた特権を疎ましく思うイングランド商人や、国内の産業を育成しようとするイングランド国王がロンドン商館に様々な圧力をかけるようになる。しかし、イングランドは木材の輸入などで完全にハンザ商人に頼り切っていたため完全な排除は難しく、ロンドン商館は長い間持ちこたえていた。1598年、エリザベス1世によってロンドン商館は閉鎖された。
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