ロフタスの実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 00:31 UTC 版)
実験「ショッピングモールの迷子」とは、成人の被験者に対して、家族から聞いたほんとうのエピソード3つに、子どもの頃ショッピングモールで迷子になったという虚偽のエピソードを1つ加えて、被験者がその4つともほんとうの話だと思い込むようになるかどうかを試すものである。 その結果、成人である被験者の4分の1が、植え込まれた記憶もほんとうの自分の体験だと思い込んでいることを示した。しかも、偽りであるはずの記憶は非常に詳細であり、のちにこれが偽りであった事を知らされた被験者たちは皆驚いたという。 この実験に基づいて、家族という密室で起こった虐待などの犯罪を、司法の場で追及しようとした原告たちは敗訴し、原告たちから抑圧された記憶を引き出したセラピストやカウンセラーは莫大な賠償金を払わされることになった。また、これによって回復記憶療法も用いられなくなり、2000年までに完全に行なわれなくなってしまった。 このことを、精神医学の権力への敗退と後退だとして嘆く関係者は多い。
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