リンス説とは? わかりやすく解説

リンス説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/08 16:26 UTC 版)

全体主義体制」の記事における「リンス説」の解説

フアン・リンスJuan Linz)は全体主義体制(1)イデオロギー(2)動員組織(3)権力集中3つの次元説明している(Linz 1975=高橋27-28頁)。 イデオロギー: 排他的自律的な、しかも多少なりとも知的に洗練されたイデオロギーがあること。支配集団ないし指導者指導者に奉仕する政党は、イデオロギー同一化し、これを政策基盤として利用したり、操作したりして政策正当化する。このイデオロギーはいくつかの境界線があり、それを超える非公認とどまらず異端となる。このイデオロギーは、特定の綱領正当な政治行動境界確定するだけでなく、究極的な目標歴史的な目的意識現実社会解釈もっともらしく規定する動員組織: 政治的集団的な社会活動対す市民参加積極的な動員奨励され要請され報酬報いられ単一政党多く一枚岩的第二次集団通して誘導される権力集中: 一元的ではあるが一枚岩ではない権力中枢があること。どれほど組織ないし集団多元性が存在しても、こうした多元性は、その正当性この中から引き出され大体において中枢によって調停され概して既存社会副産物ではなく政治的な創造物である。 この説明法は、全体主義体制を他の政治体制といかに区別するかに力点をおいた方法であり、単に特徴抽出したものではない。リンス全体主義体制定義するにあたって全体主義体制における特定イデオロギー強調イデオロギーへの傾倒重視しており、全体主義体制とは「イデオロギー支配政体」(ideocracies)または「理念支配政体」(logocracies)と考えられるかも知れない考えている(Linz 1975:p.196)。ゆえに全体主義体制においては、公式のイデオロギー実際的な政策形成などによって内容変化させられてしまったり、公式のイデオロギー対立する理念政策作り出されてしまったときに、全体主義体制から乖離するような変化に至ると考えられている。

※この「リンス説」の解説は、「全体主義体制」の解説の一部です。
「リンス説」を含む「全体主義体制」の記事については、「全体主義体制」の概要を参照ください。

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