リアルサイクルビジネス理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 17:51 UTC 版)
「フィン・キドランド」の記事における「リアルサイクルビジネス理論」の解説
キドランドの最大の業績は、ノーベル経済学賞の受賞理由にも挙げられたリアルビジネスサイクル理論の創始である。リアルビジネスサイクル理論は1982年にキドランドが、同じくノーベル経済学賞を受賞したエドワード・プレスコットとともに共同で執筆した論文『Time to build and aggregate fluctuations』に始まる研究である。これは1セクター最適成長モデルを基にした理論であり、経済に加わる実物的ショックから景気が変動することでどのように代表的経済主体が反応するかを考察する理論である。 リアルビジネスサイクル理論についてキドランドらは、それまで盛んであった貨幣的な要因を強調する考え方よりも実物的な側面を重視し、景気変動は不可避であるという主張をした。この主張はかなり挑戦的に記述されていたため、大きな反響を引き起こした。キドランドらが使用したカリブレーションと呼ばれる数値シミュレーションの手法にも反対の声が多かった。しかしながら手法については、1990年代初頭からは、ケインズ学派の論文においても同様の手法が用いられているようになった。 静学的な手法が連立方程式を解いて解の挙動を調べるものならば、動学的な手法は連立微分方程式を解くことで解の挙動を調べるものといえる。しかしながら動学的な手法では明示的な解を求めることは困難である。そこで、現実の数値に基づいてシミュレーションを進める分析手法は、キドランドらの論文以降、確固たる地位を占めることになった。 詳細は「リアルビジネスサイクル理論」を参照
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