ヨーゼフ・バカラール
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1975年(昭和50年)、ハンガリーの文化勲章受章画家のヨーゼフ・バカラール(Jozsef Bakallar)夫妻が旭川の東海大学工芸短期大学に講演に訪れ、日本語が堪能な夫人が通訳しており、それ以来、木内はバカラール夫妻と親交を持った。1970年代に木内が日本国外で活動し、ハンガリーを訪れた際にも、夫妻に世話になった。 木内が2度目にハンガリーを訪れたとき、彼女が空港に到着するなり、バカラール夫妻は「あなたを驚かせることがあります」と、ブダペストの国立ギャラリーに案内した。そこでは木内の個展が開催されていた。木内は、ハンガリーではビエンナーレ以外に出品していないことを疑問に思っていると、展示物は木内が以前、夫妻に個人的に譲った上着やネクタイ、小銭入れ、マフラーなどであり、それがまるで宝物のように一点一点、大切に展示されていた。そして個展のポスターはすべてバカラールの手作りであり、百枚近い油絵のポスターを、夫人や仲間たちがギャラリーの内外に貼って歩いたのであった。言葉も理解できない異国の友の友情に、木内は涙があふれた。言葉がなくても触れ合える人の心の真実を教わったことは、木内にとって忘れられない思い出となった。
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