メスメリズム(Mesmerism)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 09:43 UTC 版)
「動物磁気説」の記事における「メスメリズム(Mesmerism)」の解説
イギリスのマグネタイザーの間で、自分たちの臨床技術を「メスメリズム」と呼ぶ風潮が現れた。これは自分たちの動物磁性の理論と「磁気流体」に基づく理論とを区別したかったためである。当時のマグネタイザー達は磁気流体と考えられていたものを操作しようとし、時に彼らはそれを「手の上に置く(按手)」ことを試みた。この結果、激しい熱、震え、トランス、発作などの症状が現れたことが報告されている。 フランスの医師・解剖学者・婦人科医・物理学者であったジョゼフ・フィリップ・フランソワ・ドゥルーズなど、多くの医者は科学的なアプローチをとっていた。彼の弟子の一人であるテオドール・レジェ(Théodore Léger)はメスメルに由来する「メスメリズム」という名称は「最も不適切」だと断じている。1846年までに化学者ルイージ・ガルヴァーニに由来する化学的作用で発生した電流を意味する「ガルヴァニズム(galvanism)」の語が、「電気(electricity)」に置き換わったことに着目して、レジェはその年に次のように書いた。 「動物磁性(animal magnetism)という用語を置き換えること」に関して、提案されている変更案の中でメスメリズムは明らかに最も不適切である。第一に正しい科学において特定人物の名前に由来するものはありえない。第二に、この名誉の基となるメスメルの実績とは何ですか? 彼はこの理論の実践部分における発明者ではない。なぜなら、科学の実用的な部分は、それよりもはるか昔に遡ることができるからだ。そうした意味では彼が構築した部分は完全に放棄されている。現在(すなわち1846年)に興隆していることについて彼は誤った理論を提供し、そのためにそれは我々の進歩に致命的なものとなっている。科学者達が我々の主張を立て直したことについても彼は何も話さなかった。実践や理論においても、また科学的な発見においてもメスメルに起因するものなど何一つないのに、なぜにメスメリズムと呼ばなければならないのか。
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