ミリアッドラヴ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/31 03:22 UTC 版)
ミリアッドラヴ | |||||||||
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欧字表記 | Myriad Love[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牝[1] | ||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | ||||||||
生誕 | 2022年3月5日[1] | ||||||||
死没 | 2025年6月14日(3歳没) | ||||||||
抹消日 | 2025年6月18日[2] | ||||||||
父 | ニューイヤーズデイ[1] | ||||||||
母 | レディバード[1] | ||||||||
母の父 | スマートファルコン[1] | ||||||||
生国 | ![]() |
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生産者 | ノーザンファーム[1] | ||||||||
馬主 | 白石明日香[1] | ||||||||
調教師 | 新谷功一(栗東)[1] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 5戦3勝[1] 中央:2戦1勝 地方:2戦2勝 海外:1戦0勝 |
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獲得賞金 | 6920万円[1] 中央:720万円 地方:6200万円 |
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ミリアッドラヴ(欧字名:Myriad Love、2022年3月5日 - 2025年6月14日)は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍に2024年の全日本2歳優駿、エーデルワイス賞。
経歴
デビュー前
東京の銀座でクラブや美容クリニック、飲食店など、様々な企業を経営する白石明日香により、2023年に行われたセレクトセールにおいて、2700万円(税別)で競り落とされた。その後、栗東・新谷功一厩舎に入厩する[4]。
2歳(2024年)
2024年9月16日、中京競馬場第4レースの2歳新馬戦(ダート1400m)で、鞍上に西村淳也を迎えデビュー。最内枠から好スタートを決め、道中は2番手で追走する。4コーナー過ぎから先頭のセントールビーストに並びかけて行き、直線でダノンフィーゴとの競り合いになったが制して新馬勝ち[5][6]。
次走には初の重賞競走挑戦となるエーデルワイス賞に参戦[7]。10月27日、枠順は3枠3番に決定した[8]。スタートは出負けする形となったが、鞍上が動かし一気に前団の位置へ。徐々に位置を上げていき、3コーナーで3番手に、4コーナーでは2番手までに浮上した。直線で楽々と先頭のハーフブルーを交わし、後続に2馬身以上を付け重賞初勝利を飾った[9][10]。
陣営は次走に全日本2歳優駿を選択[11]。スタート直後は少し横にヨレる部分があったが、影響なく2番手に付ける。3コーナーでホーリーグレイルを交わして先頭に立つと、直線で伸びてきたハッピーマンなど後続馬を寄せ付けず、3連勝で交流GI制覇となった[12]。また、8年ぶりの牝馬制覇を成し遂げた[13]。
3歳(2025年)
3歳緒戦は、初の海外遠征となるサウジダービーに参戦を表明[14]。レース前には、ここまで3戦無敗という事もあり、「牝馬のサウジダービー初制覇」が期待されていた[15]。好スタートを切ると、シンフォーエバーと共に先頭付近に立つ。内ラチ沿いを進むが、3コーナーから手応えが悪くなってしまう。鞍上が鞭を打ったり、動かしたりしたものの、直線も位置を下げて行き、7着で入線。初の敗北を喫した[16]。
次走には、芝初挑戦・古馬との初対決の舞台となる函館スプリントステークスに出走[17]。西村が負傷によって休養中のため、池添謙一との新コンビで出走した。五分のスタートを切ると、好位に付けレースを進めたが、3コーナーに入った途端、ズルズルと後退してしまい、4コーナー手前で池添が落馬し競走中止[18]。ミリアッドラヴは暫く空馬として走ったものの、直線入口で倒れ込み、その後に急性心不全による死亡が確認された[19][20]。3歳没。
その後、ミリアッドラヴの馬主である白石は、「たくさんの方に愛されたミリアッドラヴのことを、どうか忘れずにいていただけたら嬉しい」と自身のXで思いを綴った[21]。騎乗した池添は、「(ミリアッドラヴは)初の(芝の)スプリント戦で今後が楽しみになるような結果を求めていましたが、残念な形になってしまい、オーナーをはじめ関係者の方々に申し訳ない気持ちでいっぱい」とコメントした[22]。
競走成績
以下の内容は、netkeiba.com[23]、JBISサーチ[24]およびRacing Post[25]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2024. 9.16 | 中京 | 2歳新馬 | ダ1400m(稍) | 14 | 1 | 1 | 4.9 (3人) | 1着 | 1:23.9(36.7) | -0.1 | 西村淳也 | 55 | (ダノンフィーゴ) | 470 | |
10.31 | 門別 | エーデルワイス賞 | JpnIII | ダ1200m(良) | 13 | 3 | 3 | 1.4 (1人) | 1着 | 1:13.1(37.6) | -0.5 | 西村淳也 | 55 | (エイシンマジョリカ) | 478 |
12.11 | 川崎 | 全日本2歳優駿 | JpnI | ダ1600m(良) | 11 | 8 | 10 | 5.6 (2人) | 1着 | 1:42.4(40.4) | -0.2 | 西村淳也 | 55 | (ハッピーマン) | 464 |
2025. 2.22 | KAA | サウジダービー | G3 | ダ1600m(Fs)[注 1] | 9 | 2 | 11 | 2.25 (1人) | 7着 | 1:42.44 | 4.25 | 西村淳也 | 53 | Golden Vekoma | 計不 |
6.14 | 函館 | 函館スプリントS | GIII | 芝1200m(良) | 16 | 4 | 8 | 16.4 (6人) | 競走中止 | 池添謙一 | 52 | カピリナ | 470 |
- 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
- サウジアラビアのオッズ・人気はRacing Postのもの(日本式のオッズ表記とした)
血統表
ミリアッドラヴの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ミスタープロスペクター系 |
[§ 2] | ||
父
*ニューイヤーズデイ 2011 鹿毛 |
父の父
Street Cry1998 黒鹿毛 |
Machiavellian | Mr. Prospector | |
Coup de Folie | ||||
Helen Street | Troy | |||
Waterway | ||||
父の母
Justwhistledixie2006 黒鹿毛 |
Dixie Union | Dixieland Band | ||
She's Tops | ||||
General Jeanne | Honour and Glory | |||
Ahpo Hel | ||||
母
レディバード 2015 鹿毛 |
スマートファルコン 2005 栗毛 |
ゴールドアリュール | *サンデーサイレンス | |
*ニキーヤ | ||||
ケイシュウハーブ | *ミシシッピアン | |||
キョウエイシラユキ | ||||
母の母
*シーズインポッシブル2004 黒鹿毛 |
Yankee Victor | Saint Ballado | ||
Highest Carol | ||||
*ディフィカルト | Concern | |||
Wings of Jove | ||||
母系(F-No.) | シーズインポッシブル(USA)系(FN:6-a) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Halo 5×5・5 | [§ 4] | ||
出典 |
- 4代母Wings of Joveは1982年のメイトロンステークス(米G1)優勝など重賞2勝。
- 半姉のスティールブルー(2021年生、父ルーラーシップ)は2023年のアルテミスステークス(GIII)3着馬。
- 叔母のワンミリオンスは2017年のエンプレス杯、TCK女王盃の勝ち馬。
- 祖母シーズインポッシブルの半弟に、2009年のジャパンダートダービー、2012年のフェブラリーステークスを制したテスタマッタがいる。
脚注
注釈
- ^ 馬場状態の発表は「Fast」[26]。これをJRAは「良」と発表した。馬場状態#ダートコース参照。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ミリアッドラヴ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年10月31日閲覧。
- ^ “ミリアッドラヴの競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会. 2025年6月18日閲覧。
- ^ “競走馬情報 ミリアッドラヴ”. 日本中央競馬会. 2024年10月31日閲覧。
- ^ 「【小泉恵未コラム】サウジダービー、出走するミリアッドラヴの白石明日香オーナーが競馬界に新しい風を吹き込む」『中日スポーツ』2025年2月20日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「【中京新馬戦】ミリアッドラヴ 一騎打ち制した!西村淳「自信しかなかった」」『スポーツニッポン』2024年9月17日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「【中京4R新馬】ミリアッドラヴ、後続の猛追を振り切ってデビュー勝ち、鞍上・西村淳「自信しかなかった」」『中日スポーツ』2024年9月16日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「ミリアッドラヴ、レコード迫る優秀勝ち時計 西村淳騎手もたたえる「自信しかなかった」/新馬戦」『日刊スポーツ』2024年9月17日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「【門別・エーデルワイス賞枠順】新馬戦快勝のミリアッドラヴは3枠3番」『netkeiba.com』2024年10月27日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「【エーデルワイス賞】ミリアッドラヴが好位抜け出しV!デビュー2連勝で交流重賞初制覇」『サンスポZBAT!』2024年10月31日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「【エーデルワイス賞】西村淳也騎手「返し馬から勝てるな、と」 ミリアッドラヴがデビュー連勝で重賞初制覇」『スポーツ報知』2024年10月31日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「【全日本2歳優駿】無傷の重賞Vを果たしたミリアッドラヴが牡馬撃破で〝砂の女王〟へ名乗り」『東京スポーツ』2024年12月10日。2024年12月12日閲覧。
- ^ 「【全日本2歳優駿】牝馬ミリアッドラヴが3戦無敗で2歳王者!「フォーエバーヤングのように…」」『日刊スポーツ』2024年12月11日。2024年12月12日閲覧。
- ^ 「【全日本2歳優駿】ミリアッドラヴ無敗で戴冠 8年ぶり牝馬制覇」『サンスポZBAT!』2024年12月11日。2024年12月12日閲覧。
- ^ 「【3歳次走報】全日本2歳優駿Vのミリアッドラヴはサウジダービーへ」『サンスポZBAT!』2025年1月23日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「【サウジダービー】ミリアッドラヴは牝馬初の制覇なるか、ここまで3戦無敗の快速馬」『日刊スポーツ』2025年2月18日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「【サウジダービー】シンフォーエバー惜しくも2着 ミストレス4着、ミリアッドラヴ7着」『東京スポーツ』2025年2月22日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「【函館スプリントS】芝初挑戦のミリアッドラヴはサウジダービーから帰国初戦「芝でもいける」と松田助手」『中日スポーツ』2025年6月10日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「【函館スプリントS】芝初挑戦のミリアッドラヴは競走中止 急性心不全を発症 4コーナー手前で池添謙一騎手が落馬」『スポーツ報知』2025年6月14日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「競走中止のミリアッドラヴは急性心不全で亡くなる、JRAが発表/函館SS」『日刊スポーツ』2025年6月14日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「【函館スプリントS】全日本2歳優駿の勝ち馬ミリアッドラヴが急性心不全で死す」『サンスポZBAT!』2025年6月14日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「「ミリアッドラヴのことをどうか忘れずにいていただけたら」愛馬急死の白石明日香オーナーつづる」『日刊スポーツ』2025年6月14日。2025年6月14日閲覧。
- ^ 「池添謙一騎手が今週、来週の騎乗を見合わせる 7月5日からの復帰を目指し治療に専念」『サンスポZBAT!』2025年6月18日。2025年6月20日閲覧。
- ^ “ミリアッドラヴの競走成績”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2024年10月31日閲覧。
- ^ “ミリアッドラヴ 競走成績”. JBISサーチ. 2024年10月31日閲覧。
- ^ “Myriad Love | Race Record & Form | Racing Post”. racingpost.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “Full Result 1:20 Riyadh (KSA) | 22 February 2025”. racingpost.com. レーシング・ポスト. 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ミリアッドラヴ”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2024年11月1日閲覧。
- ^ a b c “ミリアッドラヴの血統表|競走馬データ”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2024年11月1日閲覧。
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ
- ミリアッドラヴのページへのリンク