ミネルバ-II2の運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 03:51 UTC 版)
「ミネルバ (ローバー)」の記事における「ミネルバ-II2の運用」の解説
ミネルバ-II1の成功の一方、ミネルバ-II2については、打ち上げ前の最終試験の段階から不具合が続いていることが2018年11月8日に明らかにされた。ミネルバ-II2のデータ処理用のFPGAの動作が不安定な状態となっており、軌道上での動作確認において、応答を返すものの機器の状態が取得できない状態が続いた。 このためミネルバ-II2の有効活用として、重力場測定の運用が考え出された。本来よりも高高度である1km上空で分離させることにより、数日かけてリュウグウを周回しつつ、ゆっくり降下する軌道に載せ、その軌道変化を測定する実験となった。はやぶさ2本体にはターゲットマーカーがいくつか余っているため、2019年9月17日に2個のターゲットマーカーをリュウグウの周回軌道に載せ、落下までの軌道を数日間観察する予備実験を行った。これを受け、ミネルバ-II2は10月3日 (JST) にリュウグウ上空1kmで切り離された。リュウグウの赤道上空を約5日間で8周程度周回して着地する計画 に対し、カバー分離の反動で25°ほどの誤差が生じ、着地まで予定より早く約22時間で1周あまりの周回となるトラブルはあったものの、データは得られたため実験は成功した。
※この「ミネルバ-II2の運用」の解説は、「ミネルバ (ローバー)」の解説の一部です。
「ミネルバ-II2の運用」を含む「ミネルバ (ローバー)」の記事については、「ミネルバ (ローバー)」の概要を参照ください。
- ミネルバ-II2の運用のページへのリンク