マールィ・セミャチクとは? わかりやすく解説

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マールィ・セミャチク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/25 06:31 UTC 版)

マールィ・セミャチク
Малый Семячик
マールィ・セミャチクの頂上
最高地点
標高 1,527[1] m (5,010 ft)
座標 北緯54度08分 東経159度40分 / 北緯54.13度 東経159.67度 / 54.13; 159.67座標: 北緯54度08分 東経159度40分 / 北緯54.13度 東経159.67度 / 54.13; 159.67
地形
マールィ・セミャチク
地質
山の種類 カルデラ内の成層火山
最新の噴火 1952年12月[1]
プロジェクト 山

マールィ・セミャチク[2]ロシア語: Малый Семячик, ラテン文字転写: Maly Semyachik)は、ロシアカムチャツカ半島東部に位置する成層火山である[1]。この火山は、直径10 kmのカルデラ内に位置しており、さらにそのカルデラ自体は、直径15から20kmの中期更新世のステナ=ソボリニー・カルデラの中に位置している複合成層火山である[3][1]。3つの重なり合った成層火山が、北東から南西方向のラインに沿って順に形成されており[4]、最も新しい火山円錐は、南西端に位置するツェノ・セミャチクである。有史以来活動が記録されているトロイツキー火口には、高温で酸性の火口湖が形成されており、この火口は約400年前のセノ=セミャチクの大規模な爆発的噴火によって形成された[1]。この火口湖は流れ出る河川のない無口湖でもある。水深最大140メートルに達する世界有数の深い火口湖の一つであるが、水化学パラメータ[注釈 1]および性質においては、ニュージーランドルアペフ山、日本の草津白根山コスタリカポアス山と類似している。1946年にロシアの火山学者ウラジーミル・ヴロダベツ(Vladimir Ivanovich Vlodavets)によって、その存在が学会に報告された[6]


マールィ・セミャチクの青みがかかった乳白色の酸性クレーター・レイク
クレーター・レイクは鮮やかなターコイズブルー色に見えることもある。

湖の水は、青みがかかった乳白色から[2]、非常に珍しい鮮やかなターコイズブルー色をしている。彩度の高い色は、火山性の酸性湖に特有のもので、湖底から立ち上る硫黄蒸気が水と反応して硫酸へと変化することに起因しており[7]、湖水にはそのほか数種類の周期表に載っている様々な化学元素が含まれており、有毒である[8]。湖の色は湖水の酸性度(pHの値)と光の量(時間帯、季節、天候)などの要因によって変化する[9]

湖水の水温は40度以上で[6]、すべてのものが氷や深い雪に覆われても決して凍ることがない。

「セミャチク(Semyachik)」という名称は、カムチャツカ半島の先住民族であるイテリメン人の言語で「石の大地」を意味する。

その美しさから切手になったこともある。

注釈

  1. ^ 水の成分組成や水質を評価するために使われる化学的および物理的性質を示す指標で、主要イオンpH電気伝導率(EC)、全溶解固形物(TDS)、硬度栄養塩類溶存酸素(DO)などが示される[5]

出典

  1. ^ a b c d e “Maly Semyachik”. Global Volcanism Program. Smithsonian Institution. 2025年9月14日閲覧.
  2. ^ a b カムチャツカ半島“火山の博物館”で見た物(2019年11月22日掲載)|日テレNEWS NNN”. 日テレNEWS NNN. 日本テレビ (2019年11月21日). 2025年9月15日閲覧。
  3. ^ Erlich 1986, pp. 82, 129.
  4. ^ Erlich 1986, pp. 82–83.
  5. ^ Jadoon, Waqar Azeem; Zaheer, Muhammad; Tariq, Abdul; Sajjad, Raja Umer; Varol, Memet (2024-07-01). “Assessment of hydrochemical characteristics, health risks and quality of groundwater for drinking and irrigation purposes in a mountainous region of Pakistan” (英語). Environmental Science and Pollution Research 31 (31): 43967–43986. doi:10.1007/s11356-024-34046-7. ISSN 1614-7499. PMC 11252193. PMID 38918296. https://doi.org/10.1007/s11356-024-34046-7. 
  6. ^ a b Taran, Yuri; Kalacheva, Elena; Dvigalo, Viktor; Melnikov, Dmitri; Voloshina, Ekaterina (2021-10-01). “Evolution of the crater lake of Maly Semyachik volcano, Kamchatka (1965–2020)”. Journal of Volcanology and Geothermal Research 418: 107351. doi:10.1016/j.jvolgeores.2021.107351. ISSN 0377-0273. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0377027321001803. 
  7. ^ From Close Up or Far Away, Amazing Volcano Photos” (英語). Smithsonian Magazine. 2025年9月15日閲覧。
  8. ^ Astakhova, N.V.; Lopatnikov, E.A.; Mozherovsky, A.V.; Jaroshhuk, E.I. (2019-07-08). “Hydrothermal formations of pervenets rise (the Sea of Japan)” (ロシア語). Вулканология и сейсмология 4 (4): 29-39. doi:10.31857/s0203-030620194. ISSN 0203-0306. https://doi.org/10.31857/s0203-030620194. 
  9. ^ Maly Semyachik – the volcano with the chameleon crater-lake.” (英語). eugene.kaspersky.com (2024年12月9日). 2025年9月16日閲覧。

参考文献

外部リンク




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