マホガニー属とは? わかりやすく解説

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マホガニー

(マホガニー属 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/30 23:54 UTC 版)

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マホガニー
ビック・リーフ・マホガニー
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: ムクロジ目 Sapindales
: センダン科 Meliaceae
: マホガニー属 Swietenia
学名
Swietenia
和名
桃花心木
英名
Mahogany
ビック・リーフ・マホガニーの板

マホガニー: Mahogany、日本語表記: 桃花心木)とはセンダン科マホガニー属 (Swietenia) に属する植物に冠される総称。木材としては導管が大きく柔らかいため加工しやすく、繊維方向に現れるリボン杢と呼ばれる立体的な見た目から高級家具や高級楽器などに使用される木材として知られる。 近年、マフィアやギャングが私有地や国立公園に自生する樹木を違法に伐採し資金源にしていることから、一部ではワシントン条約の附属書IIに登録され、板材や原木を輸出入するには盗品ではないという生産者の証明書類が必要である[1]

マホガニーの種類

マホガニーには以下の3種が存在している[2][3]。 いずれも樹高20-45m、直径2mまで生長し、心材は赤み掛かった色をしている。は長さ10-30cmの羽状で、5-10cmの小葉3-6枚からなる。現在では材木用にインドネシアやマレーシア、フィリピン、バングラデシュ、フィジー、インド、ハワイなどで植林が行われている。 現在よく知られる『ホンジュラス・マホガニー』は特定の品種を指す名称ではなく、ビック・リーフ・マホガニーやパシフィック・コースト・マホガニーなどの中南米原産のマホガニーの総称として木材販売会社で流通している。

  • Swietenia mahogani - 通称キューバン・マホガニー、スモール・リーフ・マホガニー、スパニッシュ・マホガニー
キューバやフロリダ半島南部原産のマホガニー。マホガニーとしては最高級の品種とされている。ハワイなどでも人工的に植林されている。マフィアの資金源となっていることからワシントン条約の附属書IIに登録され生産者の検査が行われている。キューバの雪解け以前、世界の木材取引の最大の市場であるアメリカと主な原産国のキューバは国交が無くこの種は入手困難で、その他のマホガニーと比較すると価格も非常に高価であるとされていた。当時はカナダなどを経由したものやハワイ原産のものであった。フロリダでは産業化しておらず国立公園内に自生しているだけである。
  • Swietenia macrophylla - 通称:ビック・リーフ・マホガニー、ジェニュイン・マホガニー、セントラル・アメリカン・マホガニー、ホンジュラス・マホガニー
北米~中南米広域に分布しているマホガニー。戦後キューバとアメリカの関係が悪化以降、キューバン・マホガニーが入手困難となり、一気に需要が高まった木材。現在、インドネシアなどの東南アジアでも木材産業として植林も行われているため、マホガニーでは最も安価で供給量が多い。ホンジュラス原産のみワシントン条約の附属書IIに登録され生産者の検査が行われている。
  • Swietenia humilis - 通称:パシフィック・コースト・マホガニー、メキシカン・マホガニー、ホンジュラス・マホガニー
グアテマラやホンジュラス、メキシコ南部に分布しているマホガニー。ワシントン条約の附属書IIに登録されている。

商品名としてのマホガニー

マホガニーは中南米以外にも東南アジアなどで人工的に多く植林されているものの、ワシントン条約の附属書IIに登録されているものが多く、木材販売会社が入手するのに様々なコストがかかるため仕入れ価格が高騰しやすい。 そのため多くの木材販売会社では、マホガニーに見た目や性質がよく似た木材を『マホガニー』と偽装したり『○○・マホガニー』と名付けマホガニーの代替材として販売することも少なくない。 特にセンダン科カヤ属の樹木は性質は異なるものの外見がマホガニーと酷似しているため頻繁に代替材として使われる。

  • Khaya ivorensis - 商品名:アフリカン・マホガニー、通称:カヤ
マダガスカルを中心とした西アフリカに分布するセンダン科カヤ属の植物。リボン杢が出やすく、グレードの高い本物のマホガニーによく似ているため現在、マホガニーの代替材としては最も供給量が多い。
  • Khaya senegalensis - 商品名:アフリカン・マホガニー、ドライ・ゾーン・マホガニー、通称:カヤ・ウッド
中央アフリカに分布するセンダン科カヤ属の植物。Khaya ivorensis同様にマホガニーとして偽装されることが多い。
  • Khaya grandifoliola - 商品名:アフリカン・マホガニー、ベナン・マホガニー、通称:カヤ
ベナンやコンゴに分布するセンダン科カヤ属の植物。
カメルーンやナイジェリアなどを原産とするセンダン科エンタンドロフラマ属の植物。カヤ同様でリボン杢が出やすくマホガニーの代替材としてよく使用される。
  • Shorea polysperma - 商品名:フィリピン・マホガニー、通称:レッド・ラワン
フィリピン原産のフタバガキ科ショレア属の植物。フィリピンではビック・リーフ・マホガニーも存在するがレッド・ラワンを代替材として販売することも多い。
フィリピンなどの東南アジア原産のムクロジ科ポメティア属の植物。
  • Myroxylon balsamum - 商品名:サントス・マホガニー、通称:カブレウーヴァ
中央アメリカ原産のマメ科バルサムノキ属の植物。
中国原産のセンダン科トゥーナ属の植物。日本の野山にも自生している。
日本原産のセンダン科センダン属の植物。仏像の製作に用いられる。
ハワイ原産のマメ科アカシア属の植物。ウクレレなどで使用される。

その他

阪急電鉄の電車のインテリアには、マホガニー柄に塗装されたFRPが使用されている。

参考文献

  • A・レウィントン「暮らしを支える植物の事典」(八坂書房)

脚注

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「マホガニー属」の例文・使い方・用例・文例

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