ベルヌ条約と無方式主義への移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:22 UTC 版)
「著作権マーク」の記事における「ベルヌ条約と無方式主義への移行」の解説
1886年に締結されたベルヌ条約は1908年のベルリンでの改正条約で無方式主義を採用した。無方式主義とは著作物が創作された時点で何ら方式を必要とせず著作権の発生を認める立法例をいう。 ベルヌ条約締結後もアメリカ合衆国や中南米諸国の一部などは同条約に加盟せず方式主義をとっていた。そこで1952年の万国著作権条約は無方式主義を採る国における著作物が方式主義を採る国でも著作権保護を得ることができるよう、氏名と最初の発行年、©のマークの3つを著作権表示として明示すれば自動的に著作権の保護を受けることができるとした(万国著作権条約では©マークは代替の記号ではなく著作権表示の要件の一つである)。 その後、1989年にアメリカ合衆国がベルヌ条約に加盟したほか中南米諸国も次々にベルヌ条約に加盟し無方式主義に移行した。ベルヌ条約の加盟国では、著作権を確立するのに著作権表示を行う必要はなく、著作物の作成時に自動的に著作権が確立する(ベルヌ条約と万国著作権条約の双方に加盟している場合には万国著作権条約17条によりベルヌ条約が優先する)。ほとんどの国がベルヌ条約に加盟しているため、著作権の発生要件としての著作権表示を必要としなくなった。
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