ベネディクト・リフシッツとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ベネディクト・リフシッツの意味・解説 

ベネディクト・リフシッツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 14:25 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ベネディクト・リフシッツ

ベネディクト・コンスタンチノヴィチ・リフシッツロシア語: Бенеди́кт Константи́нович Ли́вшиц1887年1月6日1938年9月21日)は、ロシア詩人翻訳家である。

略歴

1887年1月6日(ユリウス暦1886年12月25日)、オデッサの裕福なユダヤ系商人の家に生まれる。学生運動への参加が原因でノヴォロシア大学を退学になったあと、聖ウラジーミル大学の法学部に移り1912年に同大学を卒業した。卒業後はペトロフスキー歩兵第88連隊で志願兵として軍役に従事した。

1910年、ペテルブルクで刊行されていたアクメイズムの雑誌「アポロン」に三篇の詩が掲載される。1911年の12月にダヴィド・ブルリュークと知り合い、彼とその弟たちと共に、後に未来派の中心的グループとなるギレヤを結成。1914年、ペテルブルクマリネッティが訪問した際には、フレーブニコフとともに挑戦的なビラを撒いた。同年、画家ゲオルギー・ヤクーロフ、作曲家アルトゥール・ルリエーとともに未来派のマニフェスト「我々と西欧」を発表。さらに第一次世界大戦勃発を受けて徴兵され、聖ゲオルギー勲章ロシア語版を受賞。

1933年、回想記『一個半眼の射手』を発表。 翻訳家としては、フランス象徴主義詩、およびグルジア詩の翻訳に従事した。

大粛清の最中の1937年に逮捕、投獄され、翌年に「右翼トロツキスト」「人民の敵」の罪状により死刑となる。家族には、「通信の権利のない10年の懲役刑」という虚偽の通達がなされた。スターリン死後の1957年10月24日に名誉回復された。

著作

  • 詩集『マルシュアスの笛』(Флейта Марсия、1911年)
  • 詩集『狼の太陽』(Волчье солнце、1914年)
  • 詩集『湿気た沼地から』(Из топи блат 、1922年)→改題『沼地のメドゥーサ』(Болотная медуза )
  • 詩集『パトモス』(Патмос、1926年)
  • 詩集『クロトンの真昼』(Кротонский полдень、1928年)
  • 回想記『一個半眼の射手』(Полутораглазый стрелец、1933年)
  • 翻訳『ロマン主義者からシュルレアリストまで フランス詩アンソロジー』(От романтиков до сюрреалистов: Антология французской поэзии、1934年)
  • 詩集『カルトヴェリの頌歌』(Картвельские оды、1964年)

参考文献

  • Benedikt Livshits, The One and a Half-Eyed Archer, ed. and trans. John E. Bowlt (Newtonville, Massachusetts: Oriental Research Partners, 1977)
  • タチヤナ・ヴィクトロヴナ・コトヴィチ(桑野隆監訳)『ロシア・アヴァンギャルド小百科』水声社、2008年
  • 亀山郁夫『甦るフレーブニコフ』平凡社、2009年
  • 亀山郁夫、大石雅彦編『ロシア・アヴァンギャルド5 ポエジア』国書刊行会、1995年

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ベネディクト・リフシッツ」の関連用語

ベネディクト・リフシッツのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ベネディクト・リフシッツのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのベネディクト・リフシッツ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS