シューマン, クララ:ベッリーニの「海賊の歌」にもとづくピアノの為の演奏会用変奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
シューマン, クララ:ベッリーニの「海賊の歌」にもとづくピアノの為の演奏会用変奏曲 | Variations de concert sur la cavatine du Pirate de Bellini Op.8 | 作曲年: by1834年 出版年: 1837年 初版出版地/出版社: Haslinger |
作品解説
この変奏曲は、クララが1832年に観たベッリーニのオペラ《海賊》に基づいている。ピアニストが、まだ作曲家と明確に分業されていなかったこの時代。ベッリーニやロッシーニ、ドニゼッティといった一斉を風靡したイタリア人作曲家のオペラ旋律に基づいた、自作の「即興曲」や「変奏曲」は、聴衆の拍手喝采を浴びるための常套句であった。大仰な導入部、減七の和音、見世物的な鍵盤上での跳躍、繰り返し現れる装飾的3度、6度、オクターヴ、きらびやかな連打のコーダなどなど。このような当時蔓延していた語法をクララも用いた。これらは、ローベルトが「卑俗」で「陳腐」なイタリアのテーマに基づく「出来の悪い平凡な」変奏曲と非難していたのだが。しかし、この変奏曲がクララの演奏会で大成功を収め、彼女の人気向上に一役買ったことは、言うまでもない。
- ベッリーニの海賊の歌にもとづくピアノの為の演奏会用変奏曲のページへのリンク