ベイツ型擬態との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 07:19 UTC 版)
「ミューラー型擬態」の記事における「ベイツ型擬態との関係」の解説
詳細は「ベイツ型擬態」を参照 ミューラー型擬態は、ベイツ型擬態とは対照的な擬態だと言われる。ベイツ型擬態は、捕食者にとって無害な種が、有害な種と似た外見をとることで、捕食者からの攻撃を回避し利益を得るという擬態である。したがって、ベイツ型擬態は片利的な擬態であると言え、これは互恵的な擬態であるミューラー型擬態とは対照的である。しかしながら、ミューラー型擬態においても、擬態者の間で防御機構の強さには差があることがある。その場合ミューラー型擬態とベイツ型擬態との境界は明確でなく、両者の中間的な段階もあり得ることになる。 両擬態様式の違いは擬態者が有害かどうかであるが、これが不明確だと両擬態様式の間で混同が起きる可能性がある。例えばタテハチョウ科のカバイロイチモンジ(英語版)はオオカバマダラと似た体色を持ち、有毒なオオカバマダラへのベイツ型擬態を行う無毒な種だと長らく考えられていた(前節の図参照)。しかし、1991年に発表された研究から、実際には両種は共に有毒で、ミューラー型擬態の関係にあることが分かっている。なお、カバイロイチモンジがオオカバマダラに似た羽の模様を獲得したのは、カバイロイチモンジが毒性を獲得するより前だったとする推測もある。もしこれが正しければ、カバイロイチモンジは進化の過程でまずオオカバマダラへのベイツ型擬態者となった後に、毒性を獲得してミューラー型擬態者へと変化したことになる。
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